気温が下がり始めると、キラキラして純粋なロマンス漫画より、もっと暗い話が読みたくなる。そろそろ冬が来ることを考えたくないからか、自分を紛らわせてくれる話がいい。これからの展開をちゃんと考えても、どうなるか全く推測できない話。
ネット上でちょっと話題になった漫画がある。「兄だったモノ」というの。初めて耳にしたのは、友達からのおすすめだった。「こういう話を探していた!」と思って、早速1巻と2巻の単行本を購入した。1巻目を読みながら、何回も驚いた。ホラーもロマンスもあったが、それ以上に楽しめる部分が結構あった。
一見して善人なのか、悪人なのか、得体の知れないキャラクターが3人登場する。漫画家さんは何時間かけて、この複雑なキャラクターを作ったのだろう。
ここから話題になった理由である主人公「妹さん」に集中したい。「兄だったモノ」の話は最初かなり分かりやすい。「兄を亡くした妹さんが兄の元恋人に恋をする。亡くなった兄が嫉妬する幽霊として戻ってきて、恋人を妹に渡したくない」という話。もちろん話が進むと複雑で怖くなるが、私が言いたいことはこの簡単な説明でいい。
最初この漫画をソーシャルメディアでおすすめした時、皆さんの反応に驚いた。私みたいに、「なんて、複雑な関係!」という反応をしてくれた人はいたが、「兄の幽霊は妹さんを殺した方がいい」という反応をした人も結構いた。まるで、道徳的なことをしなければ、罰を受ければいいという考え方が勝ったようだった。「この漫画のキャラクターは嫌なことをするので、誰も読んでほしくない」みたいな強い反応も見て、それは一番驚いた。
もちろん、自分の兄弟の恋人を奪うのは裏切りだし、それには反対していない。反対しているのは「正しい」キャラクターを探すこと。軽く見れば、「妹が悪い」という断定に辿り着くだろうが、兄のことを考えなければならない。皆は妹さんの裏切りに怒っていて、他の何かを考えられないみたい。彼は一体どうして幽霊として戻ってきた?彼は本当に恋人を妹から守ってあげるために幽霊として蘇った?
私の意見は、いい芸術は何かを感じさせる芸術。いい感情でも、悪い感情でも。もし自分と同じ道徳観を持つ話しか読まなければ、ちゃんと成長ができないと思う。
例えば、FRIENDSというアメリカドラマを例にしよう。皆さんは知っているでしょ?Ross は「今 Rachel と付き合っていないから」と他人と寝た。彼は悪かったと思う人も、悪くなかったと思う人も結構いるでしょ?彼の行動は間違っていたと思っても、「彼の行動は非道徳的だったので誰もこのドラマを見ないでほしい」という判断をするのはちょっとおかしいでしょ?彼も、「兄だったモノ」の妹さんも、欠点のあるキャラクターだ。
完璧で、いつも正しいことをするキャラクターしかいない話がもしあれば、そんな話は読みたくない。

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